刑事手続きの流れ

逮捕されたら

逮捕の時から48時間以内に身柄が検察官に送致され、検察官は、身柄受領から24時間以内に裁判官に勾留請求をします。勾留期間は、原則として勾留請求した日から10日間で、さらに10日間延長できます。この勾留期間内に検察官は被疑者を起訴(裁判にかけること)するか不起訴とするかを決めます。この他の処分としては、起訴猶予処分・処分保留があります。

起訴される場合、公判請求と略式請求に分かれます。公判請求する場合は、一般にイメージされるような、検察と弁護側が対立する刑事裁判が行われます。略式命令請求は、被告人(起訴された場合は被疑者から被告人となる)を50万円以下の罰金又は科料に処するのが適当な場合に請求されます。書面審理だけで手続きが終結します。

公判請求されると、争いのない事件の場合には、1回の期日で公判手続が終了することが多いです。証拠調べ手続きが終了すると、次回期日に判決が言渡されます。

地方裁判所の判決に不服があれば、2週間以内に高等裁判所に控訴を申立てることができ、高等裁判所の判決に不服があれば、最高裁判所に上告を申立てることができます。

刑事裁判においては、弁護士が弁護人として被疑者・被告人の正当な利益を守るために活動します。被疑者・被告人は、任意に私選弁護人を選任することができますが、資力がない方は、国選弁護人の選任を請求できます。被疑者段階においては、一定の重大犯罪の場合にのみ、国選弁護人の選任がみとめられます。そのため、接見禁止処分(被疑者が弁護人以外の者との接見等を禁止する処分)がなされた場合には、私選弁護人を選任しないと外部との連絡がとれなくなるので注意が必要です。

なお、以上の制度とは別に、逮捕後一回だけ無料で弁護士と接見できる、当番弁護制度が存在します(連絡先は090-3661-3133)。

公判期日前において、弁護人は、被害者と示談や被害弁償等をして、起訴猶予・執行猶予等の獲得を目指します。また、起訴後は、裁判所に保釈を請求することができます。

公判期日においては、公訴事実を争う場合は被告人の無罪を主張・立証します。公訴事実について争いない場合は、情状証人等の取り調べを請求して、情状についての主張・立証し、執行猶予等刑の軽減を目指します。